フックドラグの刺し方その②〜裏側から見た刺し方の様子と手順〜



フックドラグを美しく、そして丈夫に仕上げるためには、裏側の手の動きをマスターすることが非常に重要です。この手順をしっかりと理解することで、表面の仕上がりが格段に向上します。表側から見えない部分だからこそ、丁寧な作業を心がけましょう。

裏側の手の動き:ラグの進行方向をガイドする


フックドラグを刺す際、裏側の手(右利きの場合は左手)は、ただウールパスタを持つだけではありません。まるでラグの進行方向をガイドするかのように、親指と人差し指を使ってウールの紐をしっかりと平らに持ち、小刻みに前後へ動かします。この動きは、表側の手(かぎ針を持つ手)の動きと連動しており、かぎ針がスムーズにウールをすくい上げるためのポイントとなります。裏側の手は、一箇所にじっと留まっているわけではなく、常に忙しく動いているのです。そして平らに持つことでウールパスタがねじれにくくします。この細やかな動きと平らに持つことで、均一で美しいループが生まれます。

裏側の手の位置:芯地から話さず優しく添える


裏側の手は、リネンの芯地(ラグの土台となる布)に常に優しく添えておくことが大切です。親指と人差し指で芯地を挟むようにして、芯地から手が離れないように注意しましょう。もし手が芯地から離れてしまうと、かぎ針がウールの紐をすくい上げる際に、うまく引っかからず、作業がスムーズに進まなくなります。また、無理な力が入ってしまい、ループの大きさが不揃いになります。芯地にぴったりと寄り添うことで、表と裏の連携が強まり、安定した作業が可能になります。私は下の手の人差し指と親指で、上にリネンの芯地を持ち上げ、小山を作って刺し進めることもあります。

表の手と裏側の手の連携:スムーズなループ作りの鍵


フックドラグは、表側の手とかぎ針、そして裏側の手が一体となって初めて成り立ちます。この両手のタイミングを合わせることが、フックドラグの刺し方の基本であり、最も重要なポイントと言えるでしょう。表の手でかぎ針を芯地に差し込み、裏側の手でウールの紐をかぎ針のフック部分に引っ掛けやすい位置に誘導します。そして、かぎ針でウールの紐を引き上げる瞬間に、裏側の手はそっと補助してあげます。この絶妙な連携によって、ストレスなく、スムーズにループを形成することができます。最初は難しいかもしれませんが、繰り返し練習することで、この両手のタイミングが自然と身につきます。

ウールパスタの端っこ「しっぽ」は必ず上に上げる

ウールパスタの始まりと終わりの「しっぽ」は必ず上に上げておきます。

「しっぽ」を上に上げる理由

しっぽを下に長く垂らしたままにすると、簡単にループが解けてしまいます。上に上げると、上からしっぽを引っ張ってもなかなかとれません。しっぽを上に上げる理由はラグを丈夫に保ち、解けなくするための技法です。

これでフックドラグの刺し方の基本はマスター!

以上のようなことに気をつけてラグを刺してみてください。基本はマスターできました。

動画で実際の様子を見れますので、是非ご覧ください。

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